【第109回】天下りにみる人の欲
文部科学省OB職員の天下り問題は、結局、文部科学省の組織ぐるみだったようだ。人事課のOB職員を仲介役として脱法的に再就職のあっせんが積極的に行われていた。国民の税金で生活させていただいている身だということを、同省の職員は微塵も考えたことがなかったのだろう。OB職員の受け皿に無意味な財団や公益法人を作り、税金をせしめて給料を補う。そしてまた、次のOB職員のために別の財団や公益法人を組成する。事務所借りてあげて、秘書までつけてあげている有り様。すべて税金だ。
「今回の問題は氷山の一角に過ぎないと、国民は皆思っているでしょうね」とインタビューに答えてくれた国土交通省の職員。天下りできている職員はほんの一握りですよ。真面目に働いているのがバカバカしくなるとも言っていた。天下りだけで済むならいいが、サンズイが付く悪行に手を染めている職員もいるやに聞く。
権力(地位)、金、名誉…。現世で何がしたいのか。
この輩たちは、何のために公務員になったのだろうか。
(佐々木政幸)