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  • 「ニュース雑感」 第109回を更新しました。
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【理研内部で何があったのか】

 8月5日午前9時頃、STAP細胞論文で、責任著者の一人として小保方晴子ユニットリーダーを指導した理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長が、同センターに近接している先端医療センター内で首つり自殺を図り、11時すぎ搬送先の病院で死亡が確認された。
 STAP細胞を巡っては、理研が4月以降、論文通り再現できるか検証実験を進めており、8月中に中間報告を出す予定だった矢先の悲劇となった。
ここまで彼を追い詰めた背景には何があったのか。
 研究者としてはES細胞(胚性幹細胞)の第一人者として名を馳せた彼が、初めて直面した挫折と苦悩だったのだろうか。外部には閉ざされ続けてきているが、自殺という選択をさせてしまうほど理研内部の権力闘争と隠蔽体質による世論との隔絶が、彼の精神を蝕んできていたように思えてならない。
 今年1月、世紀の大発見とメディアがこぞって賞賛し、世の中の誰もが未来に思いを馳せた話題が、今、一人の研究者の死で悲劇へと変貌してしまった。
 これまで批判され続けてきた理研の体質が、今回の事態を招いた要因の一つとも言えそうだ。
(近藤 力)

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