「ニュース雑感」 第109回を更新しました。
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現代のベートーベンと称された佐村河内氏が作曲し発表されてきた曲が、実は別の人物による作品だった。東日本大震災で被災した石巻の少女のためにと作曲された作品も別人が作り上げたという事実に、落胆と失望を隠せない。
今回の反響の大きさから、佐村河内氏が耳に障害を抱えながら作曲活動をしている姿がテレビで紹介され感動を覚えた方々は決して少なくはなかったことを考えると、彼の行為は許されることではあるまい。
ただ、彼を擁護するわけではないが、東日本大震災が発生し日本中が沈んでいたとき、彼が置かれた境遇と震災が、画面を通して観る者の心に訴え、それがビジネスとして成立してしまい、彼自身の偶像が一人歩きしてしまったことも、事を大きくしてしまった要因ではないだろうか。
彼自身が、初めから共作ということを公表していれば問題はなかったのだが、偶像が一人歩きしてしまったことと、ビジネスとして走りだした現代のベートーベンへの賞賛が、公表を躊躇させ続けてしまったように感じる。
しかし、欺きは許されることではない。一日も早く本人からの謝罪と釈明が行われることを願っている。
佐々木 政幸
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