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  • 「ニュース雑感」　第１０９回を更新しました。
    今あるニュースのポイントを端的に伝えていく「ニュース雑感」を連載しています。
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【問われるべきは何か】

　花王傘下のカネボウ化粧品は７月４日、夏坂真澄社長が緊急会見を行ない、美白成分「ロドデノール」が配合された「カネボウブランシールスペリア　ホワイトディープシリーズ」など、５４品目を一部回収すると発表した。

　２０１１年～今年にかけて「肌がまだらに白くなった」という症例が３件、皮膚科医からカネボウ側に報告されていたというが、病気によるものと判断し対応せず、今年６月になって同様の症例が３４件あることが判明し、カネボウ側の研究員が実態調査を開始していた。

　今回の社長会見によるカネボウ側の公表だったが、一見すると真摯な対応に見える今回の記者会見、消費者の立場からすると２年間も調査等をせずに放置されていたことになる。今回のケースは、企業の姿勢が問われるのではなく「企業の危機意識」が問われているケースだろう。
　「まさか、こんなことが起きるとは想像もしていなかった」というのが本音だろうが、茶のしずく石鹸でもあったように、企業の対応速度が遅かったり「うちは大丈夫だよ」といった危機意識を欠如したままだと、今回のような遅対応となってしまう。
　社長会見による企業姿勢を示したことは評価できるが、今回のケースは、その前に行うべき企業対応に問題があったと言わざるを得ない。

　推測ではあるが、消費者や医師から寄せられた情報が、日々の業務で埋没し担当者が情報を共有化、もしくは危険信号のシグナルを社内の誰も意識しない環境だったのはないか。
外を向いて事業をしているのか、それとも内向きで仕事をこなしているのか。
失った信用の代償が、高くついてしまった。
（企業リサーチャー）

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