「ニュース雑感」 第109回を更新しました。
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昨年12月、政府による電力改革の標的となっている東京電力本店内で「コードネーム・希望」と題されたA4判5枚の文書が出回っていたことが分かった。本店に所属の中堅・若手の有志職員が作成したもので、「政府の機先を制し、東京電力主導の改革を実現する」のが狙いだったらしく、自主分割を目指した内容となっている。
この文書は同社経営陣にも届いていたが一蹴され、経営方針に生かされることはなかったという。文書には「民主党政権が倒れて自民党政権になれば事態が好転するという期待は甘い」などと書かれており、経営陣批判とも受け取れる。
いったんは封印された有志の改革案だったが、東京電力改革の全体像を示す総合特別事業計画を立案中の政府の原子力損害賠償支援機構と同社の計画素案で息を吹き返すことになる。
これまで、高学歴を背景に敷かれたレールの上を走っていれば、そのうち「経営層」にたどり着き、学閥で電力業界を牛耳ってきた経営者や学者などには、“志”のある中堅・若手社員の動きは、さぞ目障りであろう。
福島第一原発の事故で、生まれ育った土地を離れるしかなかった住民の方々や、風評被害で苦しんでいる生産者の方々ことなど、もはや忘却の彼方へと置きさり、いまだに既得権を主張するしか能がない電力業界の経営層。権力にしがみついていたい理由を一度伺ってみたいものである。(横)
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