損保ジャパン社長が辞任を表明　ビッグモーター不正問題で

　中古車販売大手ビッグモーターによる自動車保険の保険金不正請求問題で、損害保険ジャパン本社（東京都新宿区）で行われた会見には、報道陣約１００人が集まった。冒頭、社長の白川儀一氏が辞任を表明。「大変なご迷惑、ご心配をおかけしていることを心からおわび申し上げます」と深く頭を下げた。

　会見には、白川氏のほか、親会社のＳＯＭＰＯホールディングスの桜田謙悟会長ら、両社の役員ら６人が登壇。３時間以上にも及んだ会見では、問題発覚後もビッグモーターとの取引を続けた点に質問が集中した。昨年６月に不正の疑いが浮上した後、損害保険大手３社はビッグモーターへの事故車の斡旋を停止したが、ビッグモーターの社内調査の報告を受け、同７月に損保ジャパンだけが斡旋を一時再開していた。

　不正が「局所的、限定的に起きていると認識していた」と、疑惑を過小評価していたと明かした白川氏。自身が取引再開を促したことを認め、「経営判断ミスだった」と悔やんだ。ここにも、業績ばかりに目をやるあまり危機管理に対する意識の低さが招いた杜撰な経営体制が見えた。